2007年8月27日月曜日

献血対象から除外(胎盤療法その4)

 昨年胎盤エキス注射の使用歴がある人は献血対象から除外されることになった。対応が遅いという気はする。以下はそのニュースの抜粋である。


 薬事・食品衛生審議会の血液事業部会安全技術調査会は2006年8月23 日、ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤の注射薬を使用した人からは、無期限に献血を行わない方針を了承した。日本赤十字社は1カ月程度の準備期間後、問診を強化して対応していくほか、問診票の改訂も行う。日本国内で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)が確認されたことを受けての措置。
 同調査会は2005年12月、英国滞在歴のある日本人でvCJDが確認されたことを受け、プラセンタの注射薬使用者に関する献血のあり方を検討してきた。その結果、これまでプラセンタの注射薬使用に関連したvCJD発生は報告されていないが、理論上のリスクは否定できないとし、安全な輸血・献血を推進する面から今回の措置を決めたもの。
 日赤は問診票を改訂し、プラセンタ注射の項目を追加することにしているが、改定までの当面の対策として、プラセンタの注射薬を使用したことがあるかを問診時に確認し、申告者には献血を無期延期にする。


 これに関して夕刊フジのちょっと面白い記事を見つけた。


 今月10日、厚生労働省社が過去に「プラセンタ注射剤」を使用した人の献血を禁止したが、これがちょっとした波紋をよんでいる。というのも、このプラセンタ、もとは更年期障害などに使用されていた医薬品だが最近は芸能人やスポーツ選手などセレブの間で「若返りの秘薬」としてもてはやされているからだ。
 今回、厚生労働省が献血を禁止したのはヒト胎盤由来のプラセンタ注射剤。BSE(牛海綿状脳症)が人間に感染したとされる「変異型ヤコブ病」の輸血感染を防ぐ措置の一環という。
 胎盤は言うまでもなく、胎児を育てる臓器であり、昔からそのエキスを飲んだり、中国では胎盤そのものを食すなど栄養の宝庫として珍重されてきた。日本でもプラセンタ入り美容液などが人気だが、化粧品に使われるのはブタの胎盤が多い。
 問題となっている人間の胎盤から作られた注射剤は本来、医療用として肝機能改善や更年期障害に処方されていた。ところが最近は美容外科で取り扱われることがほとんど。現在使用されている注射剤は国内2メーカーの2剤あるが、大半は美容目的とみられで、「うちでは全国200医院ぐらいの産婦人科と直接契約していて、国内で月間に使用する胎盤数は2000から2500。使用されているアンプル(1本2ml)数は国内だけに限定すれば年間400万から500万本にのぼる」(胎盤エキス製造関係者)。
 人気の秘密は栄養価の詰まった胎盤エキスを注射剤で直接体内に取り込むので、肌のハリや疲労回復などより高い美容効果が得られること。芸能界やスポーツ界、政財界などのビッグネームがこのプラセンタ注射の愛用者に名を連ねているのは有名な話だ。それだけに今回の措置で、肝を冷やした著名人も少なくないはず。
 厚労省担当者は「感染の危険性には、まだ科学的根拠も事例もないが、理論上では可能性がないわけではない。今回の制限はハッキリするまでの暫定的な対応」としているが、「ヤコブ病」なんて物騒な名前をちらつかされては、若返るどころの騒ぎではないだろう。 ちなみに日本赤十字社は、毎年1月から2カ月間「はたちの献血キャンペーン」に芸能人やスポーツ選手をキャラクターに起用しているが、プラセンタ愛用者以外を探すとなるとこちらの人選にもひと苦労か。(2006.10.23紙面掲載)夕刊フジ



 胎盤エキス注射の効果に関する根拠と感染の危険性を考えると、本来この薬は認められるべきではないのだろうが、古くから認可されている薬でもあり、取り消すだけの根拠もないというところか。

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