2008年7月26日土曜日

消費者態度指数

 私は自営業であるが、比較的景気の変動の影響を受けにくい業種である。しかし、この6月からぱったり客足が遠のいている。私のところだけでなく同業者はみな同じような状況のようだ。

 消費者態度指数というのがある。これは今後半年間における消費者の意識を表す指標である。「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」などについて今後半年間にどう変化するのか、消費者の考え(意識)を調査したものである。「良くなる(1点)」、「やや良くなる(0.75点)」、「変わらない(0.5点)」、「やや悪くなる(0.25点)」、「悪くなる(0点)」の5段階評価で回答してもらい、点数を加重平均して指数にする。50が指数の善し悪しの判断目安となっている。

 報道によると以下のような事態である。
内閣府が7月11日発表した6月の消費動向調査によると、消費マインドのバロメーターとなる消費者態度指数(一般世帯)が前月比1・3ポイント減の32・6となり、1982年6月の調査開始以来の最低を記録した。これまでの最低は、ITバブル崩壊の痛手を受けた2001年12月の33・0。所得が伸びないなかの物価上昇で、消費マインドはすっかり冷え込んでおり、内閣府は基調判断を7カ月連続で最低ランクの「悪化している」に据え置いた。
 
 6月から急速に景気が冷え込み、消費者が生活防衛に走り、私の業種にも影響が出てきたのだろう。日本の場合人口が減り続け長期低落の途上にある。国際通貨基金(IMF)の調査で、2007年のシンガポールの1人当たり国内総生産(GDP)が3万5000ドルを超え、日本の約3万4300ドルを抜くことが明らかになり、日本はアジアの第一位の座から転落してしまった。数年後には香港にも抜かれるのではないかといわれている。全体の国内総生産も2~3年後には中国に抜かれることは確実である。やがて世界経済が回復しても日本経済には明るい見通しは持てない。

 こういう事態になると、こちらとしてもできるだけ節約しようということになり、かくしてますます経済は縮小していく。

2008年7月21日月曜日

祈りと呪い

 夏向きの話をしましょう。
 
 2005年7月に権威のある医学雑誌「ランセット」に冠動脈疾患の患者に対して祈りが効果があるかどうかの論文が掲載された。祈りは患者と医療担当者には知らされずに、世界中のキリスト教徒、ユダヤ教徒、仏教徒、イスラム教徒たちによって行われた。その結果は祈りを受けないグループよりも「二段構え」(病気が良くなるように祈るグループが成功するように別のグループが祈る)の祈りを受けた患者たちは「6ヵ月間の死亡率と再入院率が他の患者よりも30%低く、統計的に意味がある」ということだった。

 この話を知ったとき、その逆はどうなのかと思った。つまり病気が悪くなるように呪うということだ。しかし、そういう試験は倫理的に許されないので決して行われることはなく、呪いの効果に関する論文が発表されることはないだろう。

 30歳台で2人の子供をつれて離婚した女性がいる。離婚したが、元の夫の母親との付き合いが続いている。というより、その人と縁を切ることができない。その女性の話によると、義母は不思議な能力を持っているという。まず、義母はその女性に子宮がんができているから病院で検査を受けるようにすすめた。最初の病院では子宮がんはなかった。それでも義母がしつこく言うので他の病院に行ったが、そこでも子宮がんは見つからなかった。3番目に大学病院に行き、そこで早期の子宮がんが見つかり治療を受けたそうだ。
 義母は自分に逆らうようなことをしたら、呪いをかけるという。義母にだまって実家の母のところに行くと決まって実母の体調が悪くなるらしい。呪いをかけられるのがこわくて縁を切れないということなのだ。

 呪いというのはそれを信じていて、誰かに呪われたと思った瞬間から効くものだ。不安になり、何か良くないことがあると呪いのせいだと思う。これが呪いが効いているということだ。呪いというものをまったく信じていない人や、信じていても呪われたということを知らない人には効かない。そういうものだと思う。この女性の場合、子宮がんは偶然だったのか、あるいはそういうものが分かる能力が義母にあったのか、どちらにしてもそういうことがあったために、義母の呪いの力を信じてしまい、結局呪いが効くようになってしまった。

 祈りの効果も大勢の人間が祈り、さらにその祈りが成功するように祈ってやっと統計的に意味がある結果が出たわけだ。一人の人間が呪いをかけて効果が出ることはないだろう。