2007年8月26日日曜日

薬事法違反(胎盤療法その3)

 埋没療法に使う胎盤は「メルスモン製薬」が胎盤そのものを刻んで熱処理し、薬瓶に詰めた製剤に加工し主として「日本胎盤医療研究会」に所属する医師に販売していた。そしてそれが問題を起こす。


読売新聞
 厚生労働省は2004年9月2日、刻んだ人間の胎盤を医療用に販売していた製薬会社「メルスモン製薬」(東京都豊島区)に対し、医薬品の無承認製造販売で薬事法違反にあたるとして、胎盤の入手先や出荷実態についての報告命令を出すとともに、製品の自主回収を指導した。
 厚労省によると、同社は胎盤から抽出したエキスをもとに、承認済みの注射用アンプル液「メルスモン」を製造しているが、これとは別に、胎盤そのものを刻んで熱処理し、薬瓶に詰めた製剤に加工。薬事法に基づく承認を受けないまま、複数の医療機関に提供・販売していた。
 今年3月、厚労省が同社の工場を査察した際、問題の製品が保冷庫にあるのを発見。同社から事情を聞いた結果、違法と判断した。


 しかし「メルスモン製薬」は停止指導後も製造を続けた。


産経新聞
 製薬会社「メルスモン製薬」(東京)が人間の胎盤を使った無承認の医薬品を製造したとされる問題で、厚生労働省は2005年2月16日、川口工場(埼玉県川口市)を17日から90日間の業務停止処分にすると発表した。死者が相次いだ抗ウイルス剤「ソリブジン」事件で日本商事(現アルフレッサファーマ)工場が受けた業務停止105日に次ぐ重い処分である。厚労省は昨年3月の停止指導後も製造を続けたことを重視した。
 メルスモン製薬とこの薬を治療に使っていた医師らの「日本胎盤医療研究会」を、薬事法違反(無承認医薬品製造)の疑いで警察当局に告発する方向でも検討しており、告発に踏み切れば極めて異例の措置となる。
 厚労省によると、同社は遅くとも1993年ごろから、産婦人科から購入した胎盤を川口工場で細かく砕き、滅菌処理して小瓶に詰め、研究会に出荷。研究会は会員の医師約60人に提供していた。医師は免疫力の回復などに効果があるとして皮下注射で埋め込む療法で使っていたとされる。
 同社によると、2003年は1万4000本余を製造。健康被害の報告はないという。


 実際に刑事告発されたという話は聞かない。しかし使っていた医師には刑事告発が検討されたということは衝撃であっただろう。胎盤使用を率先していた日本胎盤医療研究会の公開されていたウェブサイトは、問題が指摘されはじめたころ削除された。

 医師が自分で薬を作って使うのは違法とはならないので、実際に自ら胎盤を手に入れそれを処理して埋没療法を行っている医師はいる。しかし、それはかなりの手間がかかることであり、この治療に信念を持っている医師か、あるいはこの治療で大きな利益を上げている医師にしかできない。胎盤埋没療法はほぼ終わったと考えてよいだろう。しかしまだ胎盤エキス注射の問題がある。

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