2008年3月30日日曜日

シューマンの病気

 シューマンは精神を病み、1854年2月27日ライン川に身を投げるが通りかかった船乗りに助けられ、精神科病院に入院し1856年その精神科病院で死亡する。 
 私は最近までシューマンの精神病は脳梅毒だと思っていた。しかし、シューマンの解剖所見では脳に器質的異常はなかったとの記録が残っているらしい。これで脳梅毒説は否定される。
 躁うつ病説が有力なようである。確かにシューマンの交響曲などでは気分の変動が激しく、焦燥感にかられているような部分もある。躁うつ病は根底にあったのかも知れないが、幻聴や悪魔が自分を支配しているという妄想、摂食障害など躁うつ病以外の要素も加わっているようだ。
 シューマンは退院を希望したが、妻のクララが承諾せず、病状は一進一退を繰り返しながら徐々に進み、最後は食事を拒否して脱水・衰弱死したらしい。

 そのシューマンの交響曲はバーンスタインが指揮したものが一番好きだ。

2008年3月29日土曜日

バウムクーヘンと原爆ドーム

 バウムクーヘンというお菓子が好きというわけではないが、日経新聞土曜日別冊のNIKKEIプラス1の中の「NIPPONスイーツ紀行」に興味を引かれることが出ていた。

 1919年、広島物産陳列館(現在の原爆ドーム)において、ドイツ作品展示即売会が行われた。そのとき現在神戸元町に本店を構える「ユーハイム」の創始者カール・ユーハイム氏が、カシの木の芯棒を手動で回しつつ生地を一層一層かけて焼き上げた年輪模様のお菓子が、日本におけるバウムクーヘン第1号といわれているそうだ。

2008年3月23日日曜日

超常現象

 小学生のときだが、学校から帰るとき家に近づくにつれいやな気分が強くなってきた。自分の家が黒雲でおおわれているような不吉な気分であった。帰宅してみると、つないでいた飼い犬が、誰かに持ち去られたのか、ゆくえ不明になっていたのだった。家族の悲しみが自分に伝わってきたのだと思った。これは虫の知らせとかテレパシーというものなのだろう。

 カリフォルニア大学の心理学部助教授のエリザベス・ロイド・メイヤーの「心の科学」は「遠隔透視」を中心とした超常現象を扱った本である。彼女は科学者として超常現象を信じていなかった。しかし、自分の家から盗まれたハープがある家を遠隔透視者に見つけてもらうという経験をしてから、超常現象について探求し始めた。自分で実験をするのではなく、これまで超常現象について書かれた論文を徹底的に読み、研究者やそういう能力を持っている人から話を聞くことを続けた。結論として、遠隔透視に関しては科学的に否定のしようのない論文がいくつもあり、その存在は実証されていると言えるらしい。だが、どうしてそのようなことができるのか分からない。

 序文に物理学者のフリーマン・ダイソンが「科学者としての私は、この話を信じない。だが一人の人間としては信じたい」と書いているように、本を読んだ後も遠隔透視について信じがたい気持ちはある。だがメイヤー女史の科学者としての真摯な姿勢から、この本に書かれていることは事実なのだろうと思う。

2008年3月16日日曜日

五大捕物帳

 捕物帳の世界で五大捕物帳というのがあるのを初めて知った。「半七捕物帳」、「銭形平次捕物控」、「人形佐七捕物帳」、「若さま侍捕物手帖」、「右門捕物帖」がその五大捕物帳ということになるらしい。この内、「右門捕物帖」は現在絶版で古本以外では入手できない。
 岡本き(このきはワープロに入っていない字)堂の「半七捕物帳」は宮部みゆきが「わたしにとっては聖典みたいなもので、本が傷んでしまうくらい読み返しています。」と絶賛しており、私も全6巻読んだ。淡々とした飾りのない文章だが、江戸情緒がたっぷり入っている。主に大正時代に書かれたものであり、江戸時代を直接に体験している人も多かった時代である。確かに名作だと思う。
 それ以外で読んだ五大捕物帳は横溝正史の「人形佐七捕物帳」だが、これは現在抜粋版しか入手できない。抜粋版なので名作を集めたものである。ただ、この「人形佐七」は生活のために書いたものらしい。戦前の探偵作家は探偵小説以外は書かず、横溝正史は捕物帳を書いたことに劣等感を持っていたようだ。「人形佐七」はあまり江戸情緒はなく、トリック中心の小説である。好きで書いたものでないせいか、「半七」に比べると数段劣るように思う。

2008年3月2日日曜日

ゲッチンゲン

 シャンソンにはまったくの素人なのだが、フランスの女性歌手バルバラのBOBINO1967というライブ録音のCDを買った。
 夜寝るときにそのCDを聴いていると、チンゲ、チンゲの連発が始まった。隣にいた小学生の子供と顔を見合わせて大笑いした。チンゲの連発はGOTTINGENという曲だった。GOTTINGENがチンゲに聴こえたのだ。輸入版で日本語の歌詞はついていないので意味が分からない。ネットで調べると、Gottingen(ゲッチンゲン)はドイツにある都市で、多くのノーベル賞学者を出したGottingen大学を擁する典型的な学園都市として有名らしい。さらに調べると、ゲッチンゲンのバラはなんと美しいとバルバラはこの曲で歌っている。
 バラの美しいゲッチンゲンの魅力を讃えた曲がチンゲに聴こえたという笑い話でした。