2007年8月19日日曜日

野口英世アフリカ賞

 前首相の小泉純一郎氏の肝入りで創設した「野口英世アフリカ賞」への募金が集まっていないらしい。この賞は、アフリカでの感染症等の疾病対策の推進に資し、もって人類の繁栄と世界の平和に貢献することを目的として、ノーベル賞に匹敵する賞を目指して創設された。5年ごとに開催されるアフリカ開発会議(TICAD)の機会を利用して授賞される予定である。受賞対象者は、アフリカでの感染症等の疾病対策のための研究及び医療活動のそれぞれの分野において顕著な功績を遂げた者であり、国籍・年齢・性別は問わない(生存者に限る)。小泉氏が首相退任時に受け取った最後の任期分の退職金634万円を全額寄付した以外ではロックフェラー財団が5万ドル寄付したのが目立つ程度であり、このままでは賞金の原資となる1億円の大半を税金でまかなうことになるそうだ。
 つくづく小泉純一郎という人は歴史の真実を知ろうとしない人だと思う。野口英世は黄熱病の研究のためにアフリカに渡りそこで黄熱病にかかり亡くなったのだが、彼は個人の研究欲のためにアフリカに渡ったわけである。シュバイツァーのように人道主義からアフリカにつくした人でさえ、アフリカでの評価は著しくないという。まして野口英世の場合アフリカで彼に感謝している人はいないであろうし、そもそも野口英世のことを知っている人もほとんどいないであろう。
 野口英世は米国留学中に驚異的なペースで医学論文を発表しノーベル賞候補にもなり、日本では偉人ということになっている。しかし、彼の研究の多くは現在では間違いであったことが分かっており、科学者としての世界的評価は低い。しかも、その間違っていた研究は結果として間違っていたというのではなく、もしかすると捏造であったのではないかとの疑いもかけられている。

 野口英世賞と命名した時点でこの賞の運命が決まったのかもしれない。
 

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