2007年7月31日火曜日

医師不足

医師不足が大きな問題になってきている。OECD(経済協力開発機構30カ国)の加盟国医療統計「ヘルスデータ2007」で 人口1000人当たりの医師数を見ると、日本は30カ国中27位の2.0人(04年)で、OECD平均の3.0人を大きく下回る。一方、1年間に医師の診 察を受ける回数は国民1人当たり日本は13.8回(04年)で、データがある28カ国中で最多である。少ない医師が多くの診察をこなさざるを得ない状態になっている。
 日本の1人当たり医療費は2358ドル=約28万円相当=(04年、購買力平価換算)で30カ国中19位である。厚生労働省は医療費抑制を目指すが、日本の現状はOECD平均を下回り、先進7カ国(G7)では最低だ。
 国立大学の医学部定員を減らし医療費を抑制してきた政策により、世界一の長寿国になるのに貢献した日本の医療体制が壊されつつあるということだ。もちろんこの間政権を担当してきた自民党に大きな責任がある。今回の参議院選挙で日本医師会が推薦した候補が落選したということは、医師会内での自民党に対する批判が強くなってきているということの証明であろう。
 医療崩壊という事態を防ぐためには医療政策を転換しなければいけないが、それは現在の自民党政権にはできないであろう。

2007年7月28日土曜日

大麻の危険性

The Lancetに発表された新しい大規模解析によれば、大麻の頻繁な使用は統合失調症などの精神疾患のリスクを二倍以上にするらしい。
 The Lancetは1995年に大麻の使用は健康に有害ではないという論文を掲載している。これまでの公的議論では大麻はアルコールやオピオイドや中枢興奮剤(アンフェタミン)より害が少ないと見なされてきたが、大麻の精神疾患に関する長期有害影響は見落とされてきた。

 私も大麻はタバコよりも害はないと思っていたが、脳に作用する物質だけに精神疾患のリスクが高まるわけか。結局精神に作用する薬物はアルコールも含めて、摂らないのが無難であろう。

2007年7月25日水曜日

紙幣の肖像画

千円紙幣が野口英世、五千円紙幣が樋口一葉である。
 野口英世は放蕩癖があり借金を重ねたらしい。例えば渡米を決意した時、小林栄から200円を借り、斎藤家の子女と帰国後の婚約をし結納金として300円を得て旅費を得た。しかし渡航直前に横浜の遊郭で友人と遊興にふけり更に賭博にて使い果たし、血脇守之助が高利貸しより借りた300円を資金してに米国に渡航した。
 一葉も生活は苦しかったが、一葉が資金的に窮乏した原因には、労働者に対する蔑視や、士族や華族を崇拝する身分差別的思想などの一葉自身の内面的事情が少なくないため、一葉を才能に恵まれながら資金的に不遇な生涯を送った聖人のように考えるのは一方的な見方とも言われている。
 いずれも紙幣の肖像画にするには少々縁起が悪い。

2007年7月23日月曜日

何が悪くてこういう日本になってしまったのだろう。
経済成長そのものは良いことのはずだが、その成長の仕方が悪かったのだろうか。あまりにも速いスピードでの経済成長が後日大きな歪をつくることになったのか。
もうやり直しはきかない、このどんどん大きくなる歪を是正することはできないだろう。それをするとしたら、革命である。すべてをひっくり返して混乱状態にして一からまたつくり上げることになる。その弊害の方が大きい。
日本以上のスピードで現在経済成長をしている国は中国である。今の中国の抱えている問題点は、経済成長によって大部分解決するとしても、急速な経済成長による将来の深刻な歪に対しては真剣に研究し対策を立てないと、日本以上に大変なことになるだろう。
しかし、中国からはそういう声は聞こえてこない。

2007年7月22日日曜日

オーディオ

寺島靖国氏に言わせると、「オーディオ・マニアはすべての製品を欲しいのである。オーディオ人生は買う人生なのである」そうだ。自作派を除けば確かにそういうことは言えるかも知れない。ただ、現実には次から次へと買い換えるだけのお金を持っている人は少ない。また、最近ハイエンドといわれる製品の価格高騰は限度を超えている(円安の影響だけではないだろう)。ハイエンド・オーディオの衰退という言葉が頭に浮かぶ。オーディオ雑誌には価格高騰に対しての批判的意見は出ない(自分たちの首を絞めるかも知れないのに)。オーディオ業界にはジャーナリズムは存在しないのだろう。

2007年7月21日土曜日

DNA

DNAとはデオキシリボ核酸という物質のことを言うのだが、これが遺伝情報に関係する鎖になったものもDNAと言っているので、分かりにくくなるのではないか。アミノ酸が結合してできた物質を蛋白質と呼ばずに、それもアミノ酸と言ってしまうようなものだろう。古くから慣習的にそう呼ばれているので、専門家は何の疑問も持たないかも知れないが初学者は混乱する。
 このDNAの長い鎖の中に遺伝子と呼ばれるアミノ酸合成に関係する部分が散在している。DNAの鎖と塩基性蛋白質のヒストン、およびその他の多様な蛋白質からなる生体物質を染色体と呼び、人間の体細胞はは22対の常染色体と1対の性染色体を持つ。
 ゲノムとは「ある生物をその生物たらしめるのに必須な遺伝情報」として定義される。つまり各々の体細胞なら二倍染色体セットのうちの一方のセットに含まれる全遺伝情報を意味する。ただ、複数の染色体からなる二倍体細胞においては全染色体を構成するDNAの全塩基配列を意味することもある。

2007年7月19日木曜日

地震

災妖は善政に勝たず。寤夢は善行に勝たず(孔子家語の句。天変地異や奇怪な現象は指導者層が好い政治、好い行いをすることによりおさまる。逆に天変地異や奇怪な出来事がおこるのは善政が行われてないからである)という言葉がある。
 参議院選挙の直前に新潟の地震という天変地異がおこったということは、もちろん偶然ではあるが何か考えさせられることではある。

2007年7月18日水曜日

DHEA

DHEAは男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)の前駆物質であり、加齢とともに減少する。これをサプリメントとして補えば、抗老化に役立つという考えもある。
 内因性のDHEAが多い男性は長命であるという日本の信頼できるデータはあるらしい(女性ではそういう結果は出なかった)。しかし、これはあくまでも内因性のDHEAであり、外部からDHEAを与えれば抗老化になるということにはならない。DHEA服用で抗老化への良い影響が期待できるという日本の研究結果もいくつかあるようだ。
 米国ではサプリメントとしてドラッグストアで売られているが、日本では認められていない。今のところ肯定的なデータと否定的なデータがあり、また副作用への危惧もあり、抗老化のサプリメントとしての評価はまだ定まっているとは言えない。
 ただ、知人でDHEA50mg服用でLDLコレステロールが増加し、25mgに減量するとLDLコレステロールも低下したという人がいる。LDLコレステロールが増加するのであれば抗老化どころか、動脈硬化を促進してしまうので、抗老化のためのサプリメントとしては失格だ。今のところは、飲まないほうが無難か。
 なお、IOCではDHEAをドーピング物質に指定しているそうだ。