2008年4月13日日曜日

薬九層倍オーディオ七十層倍

 薬九層倍というのは、原価にくらべて薬の値段が高いということだが、現在の新薬は莫大な開発費がかかっているので、製造費だけでなく開発費も原価に含めると、とても九層倍にはならない。しかしオーディオの世界では開発費をかけず、七十層倍にしている会社がある。
 ゴールドムンドはスイスにある小さな会社だが高級オーディオメーカーとして、日本のオーディオマニアの憧れの的である。ゴールドムンドの一番のお得意先は日本である。世界一のオーディオ大国の米国ではゴールドムンドは売れていないし、欧州でも日本ほどには評価が高くない。
 そのゴールドムンドの商法が今オーディオマニアの間で問題となっている。ゴールドムンドにEidos20Aという定価140万円のユニバーサルプレーヤーがある。140万といってもゴールドムンドの製品としては高い方ではない。そのプレーヤーの中身が日本のパイオニアの2万円のDVDプレーヤーの中身をそっくりそのまま使っているということが露見した。中身は2万円のパイオニアの基盤を使い、筐体や電源をゴールドムンド製を使い、定価を140万円にするというのがゴールドムンドの商法だということが判明したのである。良い筐体や電源を使えば音は良くなるだろうし、30~40万円くらいの定価にするのならばゴールドムンドというブランド料と考えて不当とは思わないが、140万はないだろう。ゴールドムンドという会社には失望したなあ。たとえ買えるだけのお金があったとしても、私がゴールドムンドの製品を買うことはないだろう。
 

2008年4月12日土曜日

山口百恵は菩薩である

 「山口百恵は菩薩である」というのは、平岡正明が書いた本の題名である。平岡正明はそれ以前に「ジャズより他に神はなし」という本も書いており、唯物論者のくせに神や仏が好きなようだ。

 私は山口百恵のファンであった。LPも何枚も持っている。でも純粋に山口百恵が好きだったのではないかも知れない。山口百恵を通してある女性を見ていたのかも知れない。

 大学時代、あるサークルで知り合った年上の女性が、山口百恵に雰囲気が似ていた。私はその人にあこがれていた。女性としての魅力もあるが、人間としてとても魅力的な人だった。その人が大学を卒業したら、私は自分の気持ちを打ち明けようと思っていた。でも卒業の直前にある男性からプロポーズされ、卒業するとすぐに結婚してしまった。もちろんショックであった。ただ、その男性のことも私は良く知っていた。顔なら自信を持って私の方が良いといえるが、人間的なスケールの大きさではとてもかなわない。お似合いの二人だと思った。

 結婚してその人は郷里を離れたため、長い間会うことはなかった。だが、数年前に帰郷した際に私の職場を二人でたずねてくれた。訪問すると連絡を受けたとき、若いときのあこがれの人も会ってみればただの中年のおばさんになっているのだろうな、と思った。でもそうではなかった。若いときよりも妖艶な魅力が増し、もっと美しくなっており驚いた。

 しかし恋心が燃え上がることはもうなかった。