2007年9月24日月曜日

化学物質過敏症

 化学物質過敏症といわれる状態がある。国際的にはMultiple Chemical Sensitivity(多種化学物質過敏症状態)と呼ばれる。これは例えば、住宅から発生するホルムアルデヒドに暴露してしまった後、体が非常に過敏となり、その後はホルムアルデヒド以外のごく微量の化学物質にも種類を問わず反応してしまうようになるという状態である。症状は粘膜刺激症状、皮膚炎、呼吸器症状、循環器症状、消化器症状、精神症状、自律神経障害、中枢神経障害、頭痛、発熱、疲労感など広範囲にわたる。

 化学物質過敏症という病気があるかどうか、否定的な研究者も少なくない。環境省の研究班による二重盲験法による暴露試験では、北里研究所病院の診断基準で化学物質過敏症と診断された9人のうち、1人しか真性と思われる患者はいなかった。つまり、化学物質過敏症と診断された人の多くは他の病気かも知れないのだ。

 米国のWilliam J.Rea医師は化学物質過敏症の領域では有名であり、日本でも講演を行っている。その人物に対する以下のようなニュースがあった。



 テキサス州ダラスで環境健康センターを運営しているWilliam J. Rea医師が、医師免許を取り消されるかもしれない懲戒処分請求に直面している。テキサス州医事当局が彼を以下の罪で懲戒請求した。(a)疑似科学的検査法を用いた。 (b)正確な診断を行わなかった。(c)「無意味な」治療を行った。(d)彼の治療法が根拠がないという情報を患者に提供しなかった。(e)彼が訓練を受けていない分野の治療を行った。(f)米国内科医認定機関が認めていないのに自分は認定された医師であると称していた。

2 件のコメント:

tominn さんのコメント...

ダラスのRea医師が訴えられていた案件は、2010年6月に「和解」で決着したようです。
インフォームドコンセントの用紙にFDA未認可・・・・といった用語を大きく追加する…といった条件での和解のようです。

tominn さんのコメント...
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