2007年9月4日火曜日

流れよ、わが涙

 フィリップ・K・ディックの 「流れよわが涙、と警官は言った」を読んだのはずいぶん昔のことだ。もう内容は覚えていない。ただその題名のかっこよさが印象に残っていた。

 「流れよ、わが涙」というリュート歌曲が16世紀に流行したと知ったのは数年前のことだ。ここからディックの小説の題名は来ていたのか。この歌曲はイギリスのリュート奏者のジョン・ダウランドが作曲したものだ。

 リュートという楽器はクラシック・ギターの原型で琵琶のような形をしており、弦が2本1組で張られているため、厚みや深みのある特有の音色がする。とはいうものの、ギターの先祖なのでギターよりももっと地味な音だ。ホプキンソン・スミスという有名なリュート奏者が来日したのは2004年だったか。私の住んでいる地方都市でもコンサートがあり聴きにいった。でも、結局リュートの音が自分の好みでなく、前半を聴いて帰ってしまった。

 2006年にロック歌手のスティングがダウランドのリュート歌曲集を出して話題になった。このCDの中にも「流れよ、わが涙」は入っている。

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