グァルネリ・デル・ジェスはストラディヴァリウスと並ぶヴァイオリン製作の名工として知られている。
1743年製グァルネリ・デル・ジェスは門外不出のコレクションとしてニューヨークの大富豪の手元にあったものであり、いまだかつて公の場で弾かれたことはないらしい。
今日、大阪フィルハーモニー交響楽団の首席コンサートマスターである28歳の長原幸太のリサイタルでこの楽器が弾かれた。
今回のリサイタルのプログラムは第一部はドビュッシーのヴァイオリンソナタ、ラヴェルのヴァイオリンソナタ、クライスラーの小品で「愛の喜び」、「愛の悲しみ」、「ウィーン奇想曲」、第二部はプーランクのヴァイオリンソナタ「ガルシア・ロルカの思い出に」、サン=サーンスのヴァイオリンソナタ第1番、アンコールがドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」、マスネのタイスから瞑想曲というオールフランスであった。
グァルネリは先入観もあるのかも知れないがやわらかく艶のある良い音だった。
サン=サーンスのヴァイオリンソナタを演奏することを最初に決めたので、オールフランスで行こうということになったらしいが、あまりなじみやすい曲目ではない。サン=サーンスはなかなか良かった。ドビュッシーのヴァイオリンソナタは曲としては分かりにくいが、今回の曲の中ではCDでよく聴いており、なじみがある曲である。
最後のマスネの瞑想曲は予定にはなく、急遽演奏したのでリハーサルはしていなかったとのこと。でも最後がこの曲で良かったと思う。
今回フランスのエスプレッソじゃなく、エスプリをたっぷり味わったが、ベートーヴェンのクロイツェルソナタやブラームスの雨の歌を聴いてみたかったと思ったりして。
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