温暖化が進めばやがて日本の半分は亜熱帯気候に属することになり、マラリアが流行するといわれている。しかし衛生環境が良ければ大流行するということはないだろう。そもそも1987年まで日本には土着のマラリアがいたのだ。
マラリアの感染者は世界中で3~5億人、毎年、約100万人が死亡すると推定され、世界的健康問題であるといわれている。人に感染するマラリアの原虫には、三日熱マラリア原虫、熱帯熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫と卵型マラリア原虫の4種類がある。ハマダラカ属の蚊に吸血されることによって感染する。マラリア原虫を持つ蚊に吸血され、人の体内でマラリア原虫が侵入してから発症するまでの期間(潜伏期)は熱帯熱マラリアで12日前後、四日熱マラリアは30日、三日熱マラリアと卵型マラリアでは14 日程度と報告されている。
一定の潜伏期間の後、悪寒、震えと共に体温が上昇し、1~2時間続く。その後、悪寒は消えるが、体温は更に上昇し、顔面紅潮、呼吸切迫、結膜充血、嘔吐、頭痛、筋肉痛などが起こり、これが4~5時間続くと発汗と共に解熱する。これを熱発作と呼ぶ。この熱発作の間隔は、感染するマラリアの種類によって異なり、四日熱マラリアは72時間、三日熱、卵型マラリアは48時間ごとに起こるが、感染初期では発熱が持続する傾向が多いようだ。
一般に熱帯熱マラリアは、他のマラリアと異なり高熱が持続する傾向があり、平熱まで下がることはほとんどない。また、症状も重く治療が遅れると意識障害、腎不全などを起こし、死亡することもまれではない。
マラリアは 媒介蚊がいれば,熱帯のみならず温帯・亜寒帯地域でも近代までまん延していた。今では完全な輸入病となっているが,その昔,日本は名だたるマラリア浸淫地であり、札幌や釧路でも終戦直後までマラリア患者が普通にいた。
日本のマラリアは奈良時代の大宝律令の医疾令に瘧(おこり)の名前ではじめて紹介され,平安時代の『和名類聚抄』には瘧にエヤミとワラハヤミの2つの訓でている。つまり,奈良時代以前にマラリアはすでに日本に定着していたとおもわれる。
安土桃山時代の山科言経が大阪で開業したとき,患者の7%が瘧であったそうだ。これは19世紀中頃のロンドン病院のマラリアとほぼ同じ値である。瘧は藤原定家の日記『明月記』や定家の息子為家の後妻である阿仏尼が書いた『十六夜日記』でも,また安土桃山時代に奈良で書かれた『多聞院日記』でも頻繁にでてくる。なお、平清盛の死因がマラリアとの説があるが、これはどうも違うらしい。
江戸時代には瘧はそれほど重要視されていない。おそらく,開発が進んで沼沢地が減ったこと,漢方薬治療が盛んになったことによるのではないかといわれている。
それでも,1903年(明36)には年間20万人の罹患者と1,000人を超える死亡者があったと推定されている。終戦直前,日本軍によって八重山諸島民が「経験的に熱帯熱マラリアを恐れて入らなかった」地域に強制疎開させられ,約3,000人がマラリアで死亡した。この犠牲者を供養する慰霊碑が石垣市のバンナ公園に建立されている。
琵琶湖をかかえる滋賀県は本土で最も流行度が高かった県で,1948年(昭23)には全国のマラリア患者の4,953人のうち2,259人が記録されている。彦根市には1978年(昭53)までに流行が定着していた。
第2次世界大戦直後の外地帰還者によるマラリアの輸入があり患者数は全国的に増えたが,媒介蚊退治と徹底した患者の治療が効を奏し,土着マラリアは1987年(昭62)以降認められていない。
輸入マラリアの国内での報告数は、1999年4月以前の伝染病予防法での届出によると、1990年代には年間 50~80人で推移していた。しかし、感染症法施行以降の報告数は増加し、1999年(4~12月) には112例、2000年1~12月には154例に達した。しかしその後、2001年は109例、2002年は83 例、2003年は78例と減少している。
2007年8月30日木曜日
散髪屋の嘆き
行きつけの近所の散髪屋の老夫婦が最近客が少ないと嘆いていた。確かに以前だと待たされることもあったが、この1年くらいは待たされたことがない。人口はまだ減り始めたばかりなので、そのせいではない。そこでネットで調べてみた。
近年若年層の男性が美容院へ通う傾向が年々強くなっており、理容店離れの影響がよりいっそう深刻になっている。さらに業界内でも最近では2000円台、1000円台といった低料金を売り物にしたチェーン店の進出が目覚ましく、不況の時代に合った形で需要を大きく伸ばしている点が特徴的である、ということのようだ。
つまりヘアスタイルに関心のある若年男性は美容院に行き、ヘアスタイルに関心のない中年層はカットだけの格安店に行き、結局近所の高齢者が中心ということで客が減ったということなのだろう。
1000円の理髪店をマスコミは格安理髪店と呼んでいるが、格安だけではなく確実に10分を保証したところが成功している理由と考える人もいる。カットの時間は7分、髪の毛は洗わない。刈った髪の毛を掃除機のようなエアウォッシャーで吸い取ってパパッと髪の毛を整えて10分。入口には空き状況を知らせるランプがついていて、青ランプのときに行けば待ち時間もなく、10分で理髪してもらえる。また、男性だけでなく女性客もけっこういるらしい。
私が行っている散髪屋は3500円で洗髪、顔剃り、肩のマッサージなどをして40分くらいかかる。洗髪、顔剃りは自分で毎日しているわけだから、別にしてもらわなくてもよいがセット料金なのでしてもらっているわけだ。行きつけの散髪屋には申し訳ないが近くに1000円の店ができたら行ってしまうかも知れない。でも、散髪してもらいながらウトウト居眠りするのは気持ちが良いものなのだが、10分の格安店では居眠りできないなあ。行きつけの散髪屋は後継者もいないようなので、廃業したら自転車で駅前の格安店に行くことになるかな。
近年若年層の男性が美容院へ通う傾向が年々強くなっており、理容店離れの影響がよりいっそう深刻になっている。さらに業界内でも最近では2000円台、1000円台といった低料金を売り物にしたチェーン店の進出が目覚ましく、不況の時代に合った形で需要を大きく伸ばしている点が特徴的である、ということのようだ。
つまりヘアスタイルに関心のある若年男性は美容院に行き、ヘアスタイルに関心のない中年層はカットだけの格安店に行き、結局近所の高齢者が中心ということで客が減ったということなのだろう。
1000円の理髪店をマスコミは格安理髪店と呼んでいるが、格安だけではなく確実に10分を保証したところが成功している理由と考える人もいる。カットの時間は7分、髪の毛は洗わない。刈った髪の毛を掃除機のようなエアウォッシャーで吸い取ってパパッと髪の毛を整えて10分。入口には空き状況を知らせるランプがついていて、青ランプのときに行けば待ち時間もなく、10分で理髪してもらえる。また、男性だけでなく女性客もけっこういるらしい。
私が行っている散髪屋は3500円で洗髪、顔剃り、肩のマッサージなどをして40分くらいかかる。洗髪、顔剃りは自分で毎日しているわけだから、別にしてもらわなくてもよいがセット料金なのでしてもらっているわけだ。行きつけの散髪屋には申し訳ないが近くに1000円の店ができたら行ってしまうかも知れない。でも、散髪してもらいながらウトウト居眠りするのは気持ちが良いものなのだが、10分の格安店では居眠りできないなあ。行きつけの散髪屋は後継者もいないようなので、廃業したら自転車で駅前の格安店に行くことになるかな。
2007年8月29日水曜日
解離性障害
朝青龍のような状態を解離性障害というのか。
解離性障害とは、心的外傷への自己防衛として自己同一性を失う神経症であり、自分が誰か理解不能であったり、複数の自己を持ったりする。症状の発生とストレッサーとの間に時期的関連があることが診断の必要条件であるということらしい。
似たような症状が出た人を知っている。やはり強いストレスがあり、家に閉じこもって会話が成り立たない状態となった。その後2年たち、今はふつうに会話はできるが社会復帰はできていない。 その人も解離性障害ということなのだろう。
朝青龍の場合、問題ごとにきちんとそれに見合った処分をしておけばよかったのにそれをせず、ここに来て今までの分も合わせたような厳しい処分をしたために、自業自得というにはあまりに気の毒なことになってしまった。相撲協会というのはいいかげんな組織だと多くの人が再認識しただろう。
果たして朝青龍はストレスの原因となった相撲界に復帰できるのだろうか?
それにしても誰かを集中的にバッシングするという日本の悪弊はまだ続いている。
解離性障害とは、心的外傷への自己防衛として自己同一性を失う神経症であり、自分が誰か理解不能であったり、複数の自己を持ったりする。症状の発生とストレッサーとの間に時期的関連があることが診断の必要条件であるということらしい。
似たような症状が出た人を知っている。やはり強いストレスがあり、家に閉じこもって会話が成り立たない状態となった。その後2年たち、今はふつうに会話はできるが社会復帰はできていない。 その人も解離性障害ということなのだろう。
朝青龍の場合、問題ごとにきちんとそれに見合った処分をしておけばよかったのにそれをせず、ここに来て今までの分も合わせたような厳しい処分をしたために、自業自得というにはあまりに気の毒なことになってしまった。相撲協会というのはいいかげんな組織だと多くの人が再認識しただろう。
果たして朝青龍はストレスの原因となった相撲界に復帰できるのだろうか?
それにしても誰かを集中的にバッシングするという日本の悪弊はまだ続いている。
2007年8月28日火曜日
サプリメント(胎盤療法その5)
サプリメントとしての胎盤療法は内服や美容液・化粧水などの化粧品があるが、その効果を証明するデータはない。以下は国立健康・栄養研究所の「健康食品の安全性・有効性情報」からの転載である。
プラセンタは哺乳類の胎盤で、母体の子宮内腔に形成され母体と胎児の臍帯を連絡する器官である。胎児へ酸素や生育に必要な栄養素を供給したり、母体へ老廃物をわたす機能のほかに、造血、タンパク質合成、ホルモン分泌なども行う。胎盤を食用とする習慣は古くから各地でみられる。これは元来動物が出産の痕跡を消し母体の回復を早めるために自らの胎盤を食べることに由来するようである。健康食品の素材としてはウシ、ブタ、ヒツジの胎盤があるが、最近利用されているのはブタ由来の胎盤が殆どである。俗に、「更年期障害によい」「冷え性によい」「貧血によい」「美容によい」「強壮・強精によい」などと言われている。ヒトにおける安全性・有効性については調べた文献に十分なデータが見当たらない。アレルギー、薬剤性肝障害を起こした事例が報告されている。
プラセンタというから抵抗がないのかも知れないが、胎盤を飲んだり、顔にぬったりと考えると、これは少々気持ち悪い。 サプリメントはまず安全性を第一に考えるべきであろう。胎盤を使ったサプリメントは感染の危険性を否定しきれない。
プラセンタは哺乳類の胎盤で、母体の子宮内腔に形成され母体と胎児の臍帯を連絡する器官である。胎児へ酸素や生育に必要な栄養素を供給したり、母体へ老廃物をわたす機能のほかに、造血、タンパク質合成、ホルモン分泌なども行う。胎盤を食用とする習慣は古くから各地でみられる。これは元来動物が出産の痕跡を消し母体の回復を早めるために自らの胎盤を食べることに由来するようである。健康食品の素材としてはウシ、ブタ、ヒツジの胎盤があるが、最近利用されているのはブタ由来の胎盤が殆どである。俗に、「更年期障害によい」「冷え性によい」「貧血によい」「美容によい」「強壮・強精によい」などと言われている。ヒトにおける安全性・有効性については調べた文献に十分なデータが見当たらない。アレルギー、薬剤性肝障害を起こした事例が報告されている。
プラセンタというから抵抗がないのかも知れないが、胎盤を飲んだり、顔にぬったりと考えると、これは少々気持ち悪い。 サプリメントはまず安全性を第一に考えるべきであろう。胎盤を使ったサプリメントは感染の危険性を否定しきれない。
2007年8月27日月曜日
献血対象から除外(胎盤療法その4)
昨年胎盤エキス注射の使用歴がある人は献血対象から除外されることになった。対応が遅いという気はする。以下はそのニュースの抜粋である。
薬事・食品衛生審議会の血液事業部会安全技術調査会は2006年8月23 日、ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤の注射薬を使用した人からは、無期限に献血を行わない方針を了承した。日本赤十字社は1カ月程度の準備期間後、問診を強化して対応していくほか、問診票の改訂も行う。日本国内で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)が確認されたことを受けての措置。
同調査会は2005年12月、英国滞在歴のある日本人でvCJDが確認されたことを受け、プラセンタの注射薬使用者に関する献血のあり方を検討してきた。その結果、これまでプラセンタの注射薬使用に関連したvCJD発生は報告されていないが、理論上のリスクは否定できないとし、安全な輸血・献血を推進する面から今回の措置を決めたもの。
日赤は問診票を改訂し、プラセンタ注射の項目を追加することにしているが、改定までの当面の対策として、プラセンタの注射薬を使用したことがあるかを問診時に確認し、申告者には献血を無期延期にする。
これに関して夕刊フジのちょっと面白い記事を見つけた。
今月10日、厚生労働省社が過去に「プラセンタ注射剤」を使用した人の献血を禁止したが、これがちょっとした波紋をよんでいる。というのも、このプラセンタ、もとは更年期障害などに使用されていた医薬品だが最近は芸能人やスポーツ選手などセレブの間で「若返りの秘薬」としてもてはやされているからだ。
今回、厚生労働省が献血を禁止したのはヒト胎盤由来のプラセンタ注射剤。BSE(牛海綿状脳症)が人間に感染したとされる「変異型ヤコブ病」の輸血感染を防ぐ措置の一環という。
胎盤は言うまでもなく、胎児を育てる臓器であり、昔からそのエキスを飲んだり、中国では胎盤そのものを食すなど栄養の宝庫として珍重されてきた。日本でもプラセンタ入り美容液などが人気だが、化粧品に使われるのはブタの胎盤が多い。
問題となっている人間の胎盤から作られた注射剤は本来、医療用として肝機能改善や更年期障害に処方されていた。ところが最近は美容外科で取り扱われることがほとんど。現在使用されている注射剤は国内2メーカーの2剤あるが、大半は美容目的とみられで、「うちでは全国200医院ぐらいの産婦人科と直接契約していて、国内で月間に使用する胎盤数は2000から2500。使用されているアンプル(1本2ml)数は国内だけに限定すれば年間400万から500万本にのぼる」(胎盤エキス製造関係者)。
人気の秘密は栄養価の詰まった胎盤エキスを注射剤で直接体内に取り込むので、肌のハリや疲労回復などより高い美容効果が得られること。芸能界やスポーツ界、政財界などのビッグネームがこのプラセンタ注射の愛用者に名を連ねているのは有名な話だ。それだけに今回の措置で、肝を冷やした著名人も少なくないはず。
厚労省担当者は「感染の危険性には、まだ科学的根拠も事例もないが、理論上では可能性がないわけではない。今回の制限はハッキリするまでの暫定的な対応」としているが、「ヤコブ病」なんて物騒な名前をちらつかされては、若返るどころの騒ぎではないだろう。 ちなみに日本赤十字社は、毎年1月から2カ月間「はたちの献血キャンペーン」に芸能人やスポーツ選手をキャラクターに起用しているが、プラセンタ愛用者以外を探すとなるとこちらの人選にもひと苦労か。(2006.10.23紙面掲載)夕刊フジ
胎盤エキス注射の効果に関する根拠と感染の危険性を考えると、本来この薬は認められるべきではないのだろうが、古くから認可されている薬でもあり、取り消すだけの根拠もないというところか。
薬事・食品衛生審議会の血液事業部会安全技術調査会は2006年8月23 日、ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤の注射薬を使用した人からは、無期限に献血を行わない方針を了承した。日本赤十字社は1カ月程度の準備期間後、問診を強化して対応していくほか、問診票の改訂も行う。日本国内で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)が確認されたことを受けての措置。
同調査会は2005年12月、英国滞在歴のある日本人でvCJDが確認されたことを受け、プラセンタの注射薬使用者に関する献血のあり方を検討してきた。その結果、これまでプラセンタの注射薬使用に関連したvCJD発生は報告されていないが、理論上のリスクは否定できないとし、安全な輸血・献血を推進する面から今回の措置を決めたもの。
日赤は問診票を改訂し、プラセンタ注射の項目を追加することにしているが、改定までの当面の対策として、プラセンタの注射薬を使用したことがあるかを問診時に確認し、申告者には献血を無期延期にする。
これに関して夕刊フジのちょっと面白い記事を見つけた。
今月10日、厚生労働省社が過去に「プラセンタ注射剤」を使用した人の献血を禁止したが、これがちょっとした波紋をよんでいる。というのも、このプラセンタ、もとは更年期障害などに使用されていた医薬品だが最近は芸能人やスポーツ選手などセレブの間で「若返りの秘薬」としてもてはやされているからだ。
今回、厚生労働省が献血を禁止したのはヒト胎盤由来のプラセンタ注射剤。BSE(牛海綿状脳症)が人間に感染したとされる「変異型ヤコブ病」の輸血感染を防ぐ措置の一環という。
胎盤は言うまでもなく、胎児を育てる臓器であり、昔からそのエキスを飲んだり、中国では胎盤そのものを食すなど栄養の宝庫として珍重されてきた。日本でもプラセンタ入り美容液などが人気だが、化粧品に使われるのはブタの胎盤が多い。
問題となっている人間の胎盤から作られた注射剤は本来、医療用として肝機能改善や更年期障害に処方されていた。ところが最近は美容外科で取り扱われることがほとんど。現在使用されている注射剤は国内2メーカーの2剤あるが、大半は美容目的とみられで、「うちでは全国200医院ぐらいの産婦人科と直接契約していて、国内で月間に使用する胎盤数は2000から2500。使用されているアンプル(1本2ml)数は国内だけに限定すれば年間400万から500万本にのぼる」(胎盤エキス製造関係者)。
人気の秘密は栄養価の詰まった胎盤エキスを注射剤で直接体内に取り込むので、肌のハリや疲労回復などより高い美容効果が得られること。芸能界やスポーツ界、政財界などのビッグネームがこのプラセンタ注射の愛用者に名を連ねているのは有名な話だ。それだけに今回の措置で、肝を冷やした著名人も少なくないはず。
厚労省担当者は「感染の危険性には、まだ科学的根拠も事例もないが、理論上では可能性がないわけではない。今回の制限はハッキリするまでの暫定的な対応」としているが、「ヤコブ病」なんて物騒な名前をちらつかされては、若返るどころの騒ぎではないだろう。 ちなみに日本赤十字社は、毎年1月から2カ月間「はたちの献血キャンペーン」に芸能人やスポーツ選手をキャラクターに起用しているが、プラセンタ愛用者以外を探すとなるとこちらの人選にもひと苦労か。(2006.10.23紙面掲載)夕刊フジ
胎盤エキス注射の効果に関する根拠と感染の危険性を考えると、本来この薬は認められるべきではないのだろうが、古くから認可されている薬でもあり、取り消すだけの根拠もないというところか。
2007年8月26日日曜日
薬事法違反(胎盤療法その3)
埋没療法に使う胎盤は「メルスモン製薬」が胎盤そのものを刻んで熱処理し、薬瓶に詰めた製剤に加工し主として「日本胎盤医療研究会」に所属する医師に販売していた。そしてそれが問題を起こす。
読売新聞
厚生労働省は2004年9月2日、刻んだ人間の胎盤を医療用に販売していた製薬会社「メルスモン製薬」(東京都豊島区)に対し、医薬品の無承認製造販売で薬事法違反にあたるとして、胎盤の入手先や出荷実態についての報告命令を出すとともに、製品の自主回収を指導した。
厚労省によると、同社は胎盤から抽出したエキスをもとに、承認済みの注射用アンプル液「メルスモン」を製造しているが、これとは別に、胎盤そのものを刻んで熱処理し、薬瓶に詰めた製剤に加工。薬事法に基づく承認を受けないまま、複数の医療機関に提供・販売していた。
今年3月、厚労省が同社の工場を査察した際、問題の製品が保冷庫にあるのを発見。同社から事情を聞いた結果、違法と判断した。
しかし「メルスモン製薬」は停止指導後も製造を続けた。
産経新聞
製薬会社「メルスモン製薬」(東京)が人間の胎盤を使った無承認の医薬品を製造したとされる問題で、厚生労働省は2005年2月16日、川口工場(埼玉県川口市)を17日から90日間の業務停止処分にすると発表した。死者が相次いだ抗ウイルス剤「ソリブジン」事件で日本商事(現アルフレッサファーマ)工場が受けた業務停止105日に次ぐ重い処分である。厚労省は昨年3月の停止指導後も製造を続けたことを重視した。
メルスモン製薬とこの薬を治療に使っていた医師らの「日本胎盤医療研究会」を、薬事法違反(無承認医薬品製造)の疑いで警察当局に告発する方向でも検討しており、告発に踏み切れば極めて異例の措置となる。
厚労省によると、同社は遅くとも1993年ごろから、産婦人科から購入した胎盤を川口工場で細かく砕き、滅菌処理して小瓶に詰め、研究会に出荷。研究会は会員の医師約60人に提供していた。医師は免疫力の回復などに効果があるとして皮下注射で埋め込む療法で使っていたとされる。
同社によると、2003年は1万4000本余を製造。健康被害の報告はないという。
実際に刑事告発されたという話は聞かない。しかし使っていた医師には刑事告発が検討されたということは衝撃であっただろう。胎盤使用を率先していた日本胎盤医療研究会の公開されていたウェブサイトは、問題が指摘されはじめたころ削除された。
医師が自分で薬を作って使うのは違法とはならないので、実際に自ら胎盤を手に入れそれを処理して埋没療法を行っている医師はいる。しかし、それはかなりの手間がかかることであり、この治療に信念を持っている医師か、あるいはこの治療で大きな利益を上げている医師にしかできない。胎盤埋没療法はほぼ終わったと考えてよいだろう。しかしまだ胎盤エキス注射の問題がある。
読売新聞
厚生労働省は2004年9月2日、刻んだ人間の胎盤を医療用に販売していた製薬会社「メルスモン製薬」(東京都豊島区)に対し、医薬品の無承認製造販売で薬事法違反にあたるとして、胎盤の入手先や出荷実態についての報告命令を出すとともに、製品の自主回収を指導した。
厚労省によると、同社は胎盤から抽出したエキスをもとに、承認済みの注射用アンプル液「メルスモン」を製造しているが、これとは別に、胎盤そのものを刻んで熱処理し、薬瓶に詰めた製剤に加工。薬事法に基づく承認を受けないまま、複数の医療機関に提供・販売していた。
今年3月、厚労省が同社の工場を査察した際、問題の製品が保冷庫にあるのを発見。同社から事情を聞いた結果、違法と判断した。
しかし「メルスモン製薬」は停止指導後も製造を続けた。
産経新聞
製薬会社「メルスモン製薬」(東京)が人間の胎盤を使った無承認の医薬品を製造したとされる問題で、厚生労働省は2005年2月16日、川口工場(埼玉県川口市)を17日から90日間の業務停止処分にすると発表した。死者が相次いだ抗ウイルス剤「ソリブジン」事件で日本商事(現アルフレッサファーマ)工場が受けた業務停止105日に次ぐ重い処分である。厚労省は昨年3月の停止指導後も製造を続けたことを重視した。
メルスモン製薬とこの薬を治療に使っていた医師らの「日本胎盤医療研究会」を、薬事法違反(無承認医薬品製造)の疑いで警察当局に告発する方向でも検討しており、告発に踏み切れば極めて異例の措置となる。
厚労省によると、同社は遅くとも1993年ごろから、産婦人科から購入した胎盤を川口工場で細かく砕き、滅菌処理して小瓶に詰め、研究会に出荷。研究会は会員の医師約60人に提供していた。医師は免疫力の回復などに効果があるとして皮下注射で埋め込む療法で使っていたとされる。
同社によると、2003年は1万4000本余を製造。健康被害の報告はないという。
実際に刑事告発されたという話は聞かない。しかし使っていた医師には刑事告発が検討されたということは衝撃であっただろう。胎盤使用を率先していた日本胎盤医療研究会の公開されていたウェブサイトは、問題が指摘されはじめたころ削除された。
医師が自分で薬を作って使うのは違法とはならないので、実際に自ら胎盤を手に入れそれを処理して埋没療法を行っている医師はいる。しかし、それはかなりの手間がかかることであり、この治療に信念を持っている医師か、あるいはこの治療で大きな利益を上げている医師にしかできない。胎盤埋没療法はほぼ終わったと考えてよいだろう。しかしまだ胎盤エキス注射の問題がある。
2007年8月25日土曜日
胎盤埋没療法(胎盤療法その2)
戦後日本に伝わってきた胎盤埋没療法は主にソ連を支持する医師たちによって行われたらしい。以前私が知っている医療生協の病院で胎盤埋没療法がひっそりと行われていた(現在は行われていない)、その時は医療生協と胎盤埋没療法がイメージとして結びつかず奇妙な感じを覚えた。ソ連ということで納得がいった。胎盤埋没療法は保険適応されることもなく自由診療でほそぼそと続いていたが、美容クリニックが胎盤埋没療法や胎盤エキスの注射をするようになり、以前とは違った医師層が違った目的で治療をするようになってきた。
麻酔や切開なしで胎盤を体内に入れる方法として胎盤エキスの注射薬が1950年代に開発された。日本にはメルスモンとラエンネックという胎盤エキスの注射薬が保険薬として認められている。メルスモンの適応症は「更年期障害、乳汁分泌不全」であり、ラエンネックは「慢性肝疾患における肝機能の改善」である。両者とも筋肉・皮下注射として使われる。まあ現在の基準であれば認可されないだろう。
現在、胎盤エキス注射は適応症にしたがって保険診療として使われるよりも、美容やアンチエイジングという目的で自由診療として使われているようだ。ネットで宣伝しているクリニックの胎盤エキス注射の効能をみると非常に(あるいは非常識に)多くの病気に効くということになっている。
「株)日本生物製剤」のウェブサイトにある「ラエンネックの歴史」(吉田 健太郎 著「プラセンタ療法と綜合医学」より)によると、「メルスモン」とは別なルートで、日本に胎盤療法を紹介したのが、稗田憲太郎博士であった。稗田博士は戦前・戦中と、満州国(中国東北部)の満州医科大学で教授を務め、日本の敗戦後も同地に留まり1953年に帰国するまでの8年間、中国の八路軍に参加し負傷した軍人の治療にあたった。この間、ソ連の病理学者プランスキー博士の著書『神経病理学』にヒントを得て、埋没療法を実践し著しい効果を得た。軍人の傷を治すために、患部の組織に牛の脳下垂体や角膜、肝臓、胎盤などいろいろなものを埋没した中で、胎盤が一番治療効果の高いことを確認した。稗田博士は帰国後、久留米大学病理学研究室の教授と医学部長を兼任し、胎盤の埋没療法が最も効果を示したという中国での経験から胎盤の研究に取り組み、その結果胎盤からエキスを抽出して注射液にするというかたちに結実させた、ということらしい。
なお、1958年と1960年衆議院第28回、29回選挙で福岡から日本社会党公認で稗田憲太郎という人物が立候補し落選している。おそらく同一人物だろう。
麻酔や切開なしで胎盤を体内に入れる方法として胎盤エキスの注射薬が1950年代に開発された。日本にはメルスモンとラエンネックという胎盤エキスの注射薬が保険薬として認められている。メルスモンの適応症は「更年期障害、乳汁分泌不全」であり、ラエンネックは「慢性肝疾患における肝機能の改善」である。両者とも筋肉・皮下注射として使われる。まあ現在の基準であれば認可されないだろう。
現在、胎盤エキス注射は適応症にしたがって保険診療として使われるよりも、美容やアンチエイジングという目的で自由診療として使われているようだ。ネットで宣伝しているクリニックの胎盤エキス注射の効能をみると非常に(あるいは非常識に)多くの病気に効くということになっている。
「株)日本生物製剤」のウェブサイトにある「ラエンネックの歴史」(吉田 健太郎 著「プラセンタ療法と綜合医学」より)によると、「メルスモン」とは別なルートで、日本に胎盤療法を紹介したのが、稗田憲太郎博士であった。稗田博士は戦前・戦中と、満州国(中国東北部)の満州医科大学で教授を務め、日本の敗戦後も同地に留まり1953年に帰国するまでの8年間、中国の八路軍に参加し負傷した軍人の治療にあたった。この間、ソ連の病理学者プランスキー博士の著書『神経病理学』にヒントを得て、埋没療法を実践し著しい効果を得た。軍人の傷を治すために、患部の組織に牛の脳下垂体や角膜、肝臓、胎盤などいろいろなものを埋没した中で、胎盤が一番治療効果の高いことを確認した。稗田博士は帰国後、久留米大学病理学研究室の教授と医学部長を兼任し、胎盤の埋没療法が最も効果を示したという中国での経験から胎盤の研究に取り組み、その結果胎盤からエキスを抽出して注射液にするというかたちに結実させた、ということらしい。
なお、1958年と1960年衆議院第28回、29回選挙で福岡から日本社会党公認で稗田憲太郎という人物が立候補し落選している。おそらく同一人物だろう。
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